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象鼻山12・14号墳発掘調査成果の公表。
2010.09.15
象鼻山12・14号墳の発掘調査もそろそろ終わりが見えてきており、まとまった成果が得られつつあります。
そのため、それらの成果を公表しました。
その概略は以下のようなものになります。
①象鼻山12号墳が約18mの方墳、14号墳が約16mの円墳であること。
②象鼻山12号墳の墳丘整地面に掘削した溝から出土した土器片により、12号墳の築造が廻間Ⅰ式期である可能性が高くなったこと。
③象鼻山14号墳の築造が、層位の観察により12号墳とほぼ同時期と判断できること。
④12・14号墳の築造が、山の斜面を整地した後、墳丘のほとんどを盛土で構築する方法でなされており、墳丘の規模に比して多大な労働力を伴っていること。
そしてその結果、山頂部やその周辺の墳墓群と象鼻山1号墳の間には未だ空白期間が残ることになりました。次の調査の課題となりそうです・・
現地説明会は、今月19日(日)の13時からで、小雨決行、雨天中止です。
この時期の墳墓で墳丘が完全に残っている例は珍しいと思いますので、ぜひご参加ください。
また、今朝から駐車場の問い合わせが寄せられていますが、ふもとに用意しております。係員の指示に従って駐車してください。
今朝の現場でもまたヒキガエルに出会いました。
山中穴だらけにしているので、迷惑そうな表情です。
もう少しだから、こらえてね・・
象鼻山発掘状況10
2010.09.10
象鼻山古墳群の発掘調査をはじめて7週間が経ち、やや暑さがやわらいできました。
上の写真は、整地面に掘削された溝の中で検出できている礫群です。
全てではありませんが、墳丘西側を中心に複数の地点で、これと同じような状況が確認できています。
現段階では、これが意図的なものである可能性が高いと考え、掘り下げる前に実測をしています。
また、12号墳墳頂の周囲の石列も実測を開始しました。
現地説明会が近づき、現場ではやや緊張感がただよう様になってきていましたが、調査区にネズミが迷い込んだりする、象鼻山のにぎやかさに元気をもらって調査を進めています。
象鼻山発掘状況9
2010.09.08
象鼻山12・14号墳の調査は7週目に入りました。
いまだに課題は山積みですが、先週になって、少量ですが遺物が出土しました。
そのため、ようやく墳墓の築造時期を絞り込めるようになってきています。
また、このことにより、12・14号墳の墳形を確定することの重要性が、さらに高まってきました。
まだ、掘り下げが十分進んでいない調査区が多いですが、現地説明会にむけて、なるべく早くこれらの課題をクリアしていきたいところです・・
直江区の供養
2010.09.06
平成22年9月5日(日)、直江区が行う養老山地の三方山(標高722m)にある石碑の供養に同行させて頂きました。
この供養は春日神社の祭りに合わせて、毎年行われていますが、その由来は地元でもはっきりしないようです。
ただ、聞き取り調査で他の地区へ伺ったときに、
「三方山に、戦時中に墜落した飛行機のパイロットを供養する石碑が2つある」
というお話を聞くことができています。
また、三方山は直江区が所有しているため、この供養を直江区が行うようになった可能性が考えられるのですが、まだはっきりしたことはわかりません。
下山途中で鹿に出会いました。
僕は養老で野生の鹿を目撃したのが初めてで、びっくりしました。
象鼻山発掘状況8
2010.09.03
現地説明会まで、あと2週間ほどになり、ようやく14号墳の築造方法についても情報が得られはじめました。
写真は14号墳の墳丘断面です。
この調査区は、地山から墳頂までの高低差がもっとも小さく、整地してから墳丘の完成までがとても分かりやすいです。
埋葬はおそらく黒色土層付近でしょうね・・
12号墳と14号墳の境に設定した調査区も掘り下げが進んでおり、その前後関係についてもまもなく情報が得られそうです。
下の写真は、12号墳の石列の検出風景です。
これが墳丘の周囲を完全に巡らないことが、目下の悩みです・・
象鼻山1号墳の二重口縁壺。
2010.09.01
象鼻山1号墳の被葬者の足下には、赤い顔料の容器として使用された土器が置かれていました。
二重口縁壺と呼ばれる土器で、丸い底をもち、器壁の厚さは5mmもありません。
とても丁寧につくられています。
平成20年までは、胴部附近で上下二つに分かれていましたが、ようやく完形に復元することができました。
この土器が発見されたのは、平成9年の夏。
あれから13年が経ち、象鼻山古墳群の歴史的意義は、当時は予想しなかった方向へ向かっているような気がします。
現在進めている象鼻山12・14号墳の現地説明会を平成22年9月19日(日)午後1時から4時半まで行います。
遺跡の場所は、養老町橋爪字岡山で、名神高速道路養老SAの近くです。
雨天は中止します。
埋葬施設は調査対象としておりませんが、当時の墳丘の築造方法を考える上では、よい事例となりそうですので、ぜひこの機会にご覧下さい。
駐車場も台数に限りはありますが、象鼻山のふもとに準備できる予定です。
ただ、麓から山頂まで15分ほど歩いていただかなければなりませんが・・
多数の参加をお待ちしています。
象鼻山古墳群への見学者。
2010.08.30
平成22年8月29日(日)のお昼から、考古学を学ぶ大学生が、象鼻山古墳群の見学に来てくれました。
墳丘断面にみる象鼻山12号墳と14号墳の築造工程はいかがだったでしょうか?
この日は天気も良く、1号墳からは名古屋駅前のツインタワーを望むこともできました。
象鼻山発掘状況7
2010.08.27
象鼻山の発掘調査が始まって1ヶ月と1週間が経ちました。
いろいろと明らかになりはじめましたが、一方で新たな課題もでてきています。
写真は、象鼻山12号墳の墳頂からやや下がった位置で検出できている石列です。
墳頂を全周していませんが、確認できた範囲では方形を志向しているようです。
象鼻山1号墳で検出された石列に似ていますが・・、その性格はまだよくわかりません。
あと、現地説明会の日程が決まりました。
9月19日(日)13時からです。
詳細はもう少し後に連絡させていただきます。
象鼻山古墳群調査整備委員会を開催しました。
2010.08.25
平成22年8月25日(水)13:30より、象鼻山古墳群調査整備委員会を開催しました。
今回は、現在進めている象鼻山12・14号墳の発掘調査について、有識者から指導や助言をいただくのが主な目的です。
この暑い中、現地で1時間、会議室でさらに1時間程度の指導・助言をいただくことができ、これまでの課題の整理や、今後の調査方針を固めることができました。
ただ、新たな課題も浮き彫りになり、今後の調査が一層大変なものになっていきそうです・・
象鼻山発掘状況6
2010.08.23
象鼻山古墳群の発掘調査は5週目に入り、14号墳についても掘り下げを始めました。
14号墳は12号墳に隣接しており、全長約15mの円墳と考えられています。
写真は14号墳の西端に設定した調査区の土層断面です
まだ、あまり掘り進んでいませんが、溝がでてきました。
そして、その下層にはどうも岩盤を掘削して形成した溝がありそうです。
調査はまだこれからですが、12号墳と14号墳にはいくつか共通点がありそうです。
造られた時期も近いのかもしれませんね・・
ほかに、先週金曜日の夕方、象鼻山山頂でイモムシを捕獲したオオモンクロベッコウを見つけました。
同じくらいの大きさがあるイモムシをすごいスピードで巣に運ぶ姿は圧巻でした・・
象鼻山発掘状況5
2010.08.20

今日も酷暑の中、発掘調査を実施しました。
写真は、象鼻山12号墳の墳丘断面です。
ここ数日の土層の観察から、12号墳は整地後、外側から盛土をして墳丘を完成させたことがわかってきました。
また、異なる性質の土を交互に盛り上げていったことも明らかになりつつあります。
あいかわらず、築造時期を知る手がかりとなる遺物の出土はなく、こうした墳丘の情報が築造時期を絞り込む重要な要素になっていきそうです・・
象鼻山発掘状況4
2010.08.19
現在調査を進めている象鼻山12号墳は、全長約18mの方墳です。
今日までの発掘調査から、墳丘の周囲に溝があることがわかってきました。
写真は、墳丘東側の溝の断面です。
みていただくと、墳丘に伴う溝の下層に、もう一つ岩盤を掘削して溝を形成していることがわかります。こうした状況は、墳丘の西側でも確認できています。
その一方北側の溝は、岩盤を掘削して形成するのではなく、周囲の土を盛り上げて構築した可能性が高くなってきました。
溝の深さも様々なようです。
なぜ、こんな違いがあるのでしょうか・・
今後の調査で、少しでも多くの事実を明らかにしていきたいところです。
立川勇次郎氏顕彰祭
2010.08.16
平成22年8月16日(月)、養老駅北の顕彰碑前において、立川勇次郎氏顕彰祭を執行しました。
厳しい暑さの中、地元住民だけでなく、養老鉄道関係者や沿線市町の方々、さらには遠方より、立川氏のご遺族にも出席していただきました。
ご遺族代表のあいさつでは、立川氏にまつわる貴重なお話を聞かせて頂き、改めてその業績の素晴らしさを実感しました。
立川勇次郎氏について詳しく知りたい方は「郷土の先人」をご覧下さい。
薩摩義士夏季慰霊法要を執行しました。
2010.08.13
平成22年8月13日(金)9時より、根古地薩摩工事義歿者墓において、養老町薩摩義士顕彰会主催による薩摩義士夏季慰霊法要が執行されました。
暑い中ではありましたが、約150人の出席があり、義士の慰霊を行うとともに、改めて当地域の治水の重要性を認識することができました。
週明けの月曜日には、立川勇次郎氏顕彰祭もあります。会場は近鉄養老線養老駅前で、10時から始まります。
こちらも参加は自由ですので、多数のご参列をお待ちしてます。
薩摩義士夏季慰霊法要のお知らせ。
2010.08.12
明日9時より、根古地薩摩工事義歿者墓において、薩摩義士夏季慰霊法要が執行されます。
根古地薩摩工事義歿者墓は地元では浄土三昧とも呼ばれており、宝暦治水で亡くなった24名の薩摩義士が埋葬されています。
岐阜県の史跡でもあります。
ただし、雨天の場合、会場は天照寺に変更になります。
多数のご参加をお待ちしています。
山口俊郎先生盆供養
2010.08.10
8月10日(火)、高田墓地内において、山口俊郎先生の盆供養が執り行われました。
山口俊郎先生は、養老町高田常磐町に生まれた作曲家です。
昭和30年(1955)に、三橋美智也が歌った「女船頭歌」がヒットしたことをきっかけに、山口先生も作曲家として名前が知られる様になりました。
昭和56年(1981)11月25日、80歳でその生涯に幕を閉じました。
今日は、あいにくの雨模様でしたが、多くの顕彰会員の方々が参列していました。
山口俊郎先生について知りたい方は、「郷土の先人」をご覧下さい。
象鼻山発掘状況3
2010.08.09
象鼻山古墳群の発掘調査も3週目に入り、やっと念願の土器が出土しました。
ただ小さいので、12号墳の築造時期を探る手がかりにはなりそうにありません・・
しかし、出土地点が岩盤の直上であったことから、この12号墳も旧地形を掘削した後、墳丘を盛土で構築した可能性がでてきました。
このことは、土木量の増加よりも、12号墳を造る位置のほうがより重視されたことを示しているような気がしますが、いかがでしょうか・・
いずれにせよ調査はまだこれから。
次の遺物が楽しみです。
日本文化体験
2010.08.04
養老町は、ドイツのバッドゾーデン アム タウヌス市(Bad Soden am Taunes)との交流を22年続けています。
今年は、7月26日からスポーツ交流団の9名を受け入れています。団員は高校生と大学生で、養老町内にホームステイし、スポーツを通しながら交流を深めています。
さらに、8月4日は日本文化を知るために書道・華道・茶道を体験しました。
畳の上での正座は難しいようでしたが、お抹茶の味は美味しかったそうです。
わずかな時間でしたが、日本文化に触れてもらうことができました。
帰国してからも興味を持ち続けてもらいたいです。
象鼻山発掘状況2
2010.07.30
昨日はだめでしたが、今日は調査をすることができました。
12号墳の表土と流土の除去がすすみ、墳丘の北端に黒色土層を確認できています。
ただ、これが何であるかを解明するのは、来週に持ちこしになりました。
溝の埋土かな・・
タギゾウくんのおはなし。
2010.07.29
当HPでは、養老町の歴史や文化にもっと気軽に触れていただくため、タギゾウくんというキャラクターを使用しています。
モデルは、養老町橋爪にある象鼻山1号墳。
岐阜県でも早くに造られた古墳の一つです。
このイラストは、タギゾウくんが養老町の伝統や文化にふれるお話の下書きの一部です。
小さな子どもに養老町のことを知ってもらうために制作しており、理解しやすい内容を心掛けています。
ただ、完成までには、もう少し時間が必要で、公開はまだ先になりそうです・・