象鼻山1号墳が発掘調査された頃、それ以外の墳墓はあまり注目されていませんでした。象鼻山の最高所に位置し、40mの規模をもつ1号墳に対し、それ以外の墳墓は20mにも満たない小規模なものがほとんどだと考えられていたためです。
しかし、さらなる発掘調査により、象鼻山3号墳(上円下方壇)が、これまで知られていなかった巨大な構造物であることが明らかになりました。
東西86.4m、南北70.0mの方形区画の中心に、直径17.5mの円丘を配置した上円下方の祭壇、それが象鼻山3号墳(上円下方壇)です。
象鼻山において最初になされた事業は1号墳築造ではなく、この象鼻山3号墳(上円下方壇)の造営でした。
そして象鼻山古墳群の出現が2世紀にまで遡ることを明らかにしたのが、山頂部の20m程度の墳墓群です。発掘調査により、これらの墳墓のほとんどが象鼻山3号墳(上円下方壇)より後、そして象鼻山1号墳より先に築造されたことが分かりました。