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邪馬台国時代の象鼻山

養老町教育委員会は、平成23年2月11日(金・祝)に、石野博信先生(兵庫県立考古博物館館長、香芝市二上山博物館館長)、宇野隆夫先生(国際日本文化研究センター教授)、赤塚次郎先生(NPO法人古代邇波の里・文化遺産ネットワーク理事長、愛知県埋蔵文化財センター副所長)をお呼びして、象鼻山古墳群シンポジウム「邪馬台国時代の象鼻山-古墳出現の背景を探る-」を開催しました。この特別展示は、そのシンポジウムを基に企画・制作したものです。
象鼻山古墳群は、象鼻山(標高約140m)の山頂から山麓にかけて分布する70 基の墳墓群で、岐阜県養老郡養老町橋爪字岡山に所在しています。
象鼻山は、岐阜県の南西部に位置しており、西は古くより東西交通及び軍事の要衝であった関ヶ原、東には広大な濃尾平野が広がっていることが大きな特色です。この位置は東西日本を結ぶ陸海交通の結節点にもあたり、現在もJR東海道線や東海道新幹線、名神高速道路といった主要交通機関が集中しています。
象鼻山には、山頂から中腹部にかけて象鼻山3号墳(上円下方壇)を中心に分布する1~56号墳と、周囲の山麓部にまばらに分布する57~70号墳の計70基の墳墓が築造されています。その内訳は、上円下方壇1基、前方後方墳1基、方墳34基、円墳33基、不明1基であり、方形墳と円形墳の数はほぼ同じです。また、これら70基の墳墓は象鼻山の東・南側に密に分布しており、濃尾平野や当時の伊勢湾の方向を意識していることが伺えます。
この象鼻山の山頂は眺望がよく、濃尾平野を一望できるだけでなく、養老山地や、当時内陸に入り込んでいた伊勢湾も眼下に収めることができました。